中足骨短縮症とは

何らかの誘因による骨端線の早期閉鎖が原因とされ、その部分の骨が成長しないことにより、他の趾の成長に伴って、小学校高学年以降あたりで足趾の短縮が明らかになってきます。

機能的には問題にならないことが多いですが、外観上の変形を認めるため、整容的に改善を希望する患者様は治療対象となります。

主に4趾に生じ、その次に母趾に多く認めます。下の写真は母趾と4趾の両方に発症しています。

90%以上が女性に生じます。私が手術させていただいた患者さんも全て女性でした。

治療方法

治療方法は手術です。

手術の方法としては骨移植法と仮骨延長法があります。

・仮骨延長法(私が行っている方法)

骨の創傷治癒機構を利用した、創外固定器を用いた骨の採取を必要としない治療方法です。

延長したい骨の上の皮膚(足の甲)を切開し、短縮した中足骨を切ります。

その後骨切りした骨の両側にピンを立てて創外固定器を装着します。

術後少しずつ骨折部の間隔を広げていくことで、延長しながらも、骨が形成されていきます。延長が早すぎると骨の形成が悪くなり、また、延長が遅すぎると延ばしている途中で骨がついてしまい、十分な延長が得られないため、治療者側の経験が必要です。

目標の長さまで骨延長し、形成された骨が十分な硬さに成熟するのを待ってから創外固定器・ピンを外します。

長所としては骨移植法のように骨採取の必要がないことで、短所としては治療期間が骨移植法に比較して長くなることです。

当科の取り組み(皮膚を切らない骨延長法)

–  経皮的骨切りによる仮骨延長法 –

私は、ワイヤーで骨切りを行う経皮的骨切りを仮骨延長法に組み合わせた、皮膚切開を行わない治療法を開発し、国内外の様々な学会や論文で報告しています。従来の仮骨延長法では皮膚切開をし、骨切りをするのが通常でしたが、この方法ではワイヤーにより骨に穴を開けることで骨切りを行うための皮膚切開は行いません。 足の甲の切開による瘢痕がないため、最終的な外観はこの方法が優れています。

治療の時期

・足の成長がある程度安定してからの手術の方が延長量を決定しやすい

・延長中はスポーツなど運動に制限がかかるため、中学生・高校生では難しいことが多い。

この 2 点を考慮して小学校 5-6 年生頃が最適と考えておりますが、治療時期については診察時に相談して決めていきます。

一般的な治療スケジュール

・初診

レントゲン撮影、診察を行い、手術の説明を行い、手術を受けるかどうか相談させていただきます。手術が決まれば、術前の採血と手術・入院のオリエンテーションを受けていただきます。

・入院

手術前日に入院します。入院期間は 3 日から可能ですが、両足手術の場合や松葉杖の使用が難しい場合などは1週間ほどの入院が必要となります。

・手術当日

手術で骨切り・創外固定器を装着し、手術終了します。術後はしばらく松葉杖での歩行となります。

・外来

術後4、5 日程度待ってから骨延長を開始します。自宅でスクリューを回して1日 2 回決まった量(およそ1㎜/日)だけ延長していきます。1~2週に 1 回程度受診していただき、レントゲンでできてきた骨の確認を行います。

1ヶ月程度で予定した長さまで延長ができたら、仮骨が成熟するまでそのままの状態で待機します。だいたい術後2〜3ヶ月で骨は成熟し延長器を外して、普通の歩行が可能となります。